秋保草庵







そば 3.41 | つゆ 3.65 |サービス 3.38 | 雰囲気 4.22 | 周辺 4.22

▲全国でもここ、秋保だけで採れる「秋保岩」と、岩を切断する刃で造られた看板。刃は店内にも飾られている。
暖簾をくぐるとそばと木の香りに包まれる。
店内は白い藁壁に梁の木肌、吹き抜けの高い天井が印象的だ。
ストローベイルハウスと呼ばれる藁の家で、断熱効果に優れているので無駄な冷暖房がなく、環境にやさしく空気もおいしい。
また、大きな窓がいくつもあり景色を眺めながらそばを楽しめる。
風通しが良く自然と調和した空間は、人々の心を落ち着かせてくれる。
「のんびり過ごして欲しい」という店主の想いから、広いスペースに32席とゆとりをもったレイアウトにしている。

▲細目だがコシのある、十割の「生粉打ちそば」。
そばは十割と二八の二種類がある。
十割には北海道産のぼたんを、二八には山形産のでわかおりをと、種類によりそば粉を使い分けている。
石臼挽きの自家製粉で荒く仕上げた麺は香りもよい。
十割はつなぎを使用しないため、高い技術が最も必要とされるが、秋保草庵のそばは細目に仕上げている上コシもある。
つゆもまた自家製。こだわりの材料でとったダシを合わせているそうだ。
そば粉を使用したデザートもある。そばをこころゆくまで堪能できるのがうれしい。
おすすめは、秋保の老舗とうふ店の油揚げがのった「三角あげそば」。一度お試しあれ。

▲人気メニューの一つ、「とり南蛮そば」。

▲ 二つセットの「揚げそばまんじゅう」。外はパリッと、中はふわふわの食感。揚げたてアツアツがおいしい。それぞれ二番粉と一番粉を用いており違いを楽しめる。

▲お土産には「あげそば」250円。3食入りの生そば「そばだより」は2,200円で購入できる。
仙台市内から秋保大滝に向かって車で約40分走ると左手に美術館のようなお洒落な建物が見えてくる。
山間の建物には珍しい外観が目を引く。ここが秋保草庵だ。
山々を背にしっとりとたたずむ姿、入口までまっすぐに延びた石畳は、まるで一枚の絵のようだ。
お店の前の畑には、秋になるとそばの花が咲き、訪れる人の目を楽しませてくれる。




店主の佐藤さんは、元々JRの職員であった。
「新ビジネスを立ち上げる」という会社の企画で、山形県の新庄や仙台駅で長年そば処を運営してきた。
退職後は都会の喧騒を避けるように自然を求め、秋保に越してきたそう。
引っ越しと同時に自家製粉の手打ちそばを始めた。
そばに関わって20年近く経つが、自分でそば粉を挽くようになって本当のそばがわかったという。
「昔に比べそばの保管技術などが向上し、挽き方・打ち方もいろいろある。常識に捉われない姿勢が大切です。おいしいそばを作るのに試行錯誤するのは楽しいですよ。」と笑顔の店主。
そばは奥が深い。
それ故に、研究にかける時間は相当なもの。
そばに魅せられた店主の、たゆまぬ努力と愛情がうかがえる。
秋保草庵はおいしさを求めて進化し続けているのだ。

四季の彩りに囲まれながら、風や木々の音、野鳥のさえずりを聞きゆったりと過ごせる。
そんな雰囲気に魅かれてか、お店の裏には時折キジや猿、カモシカが顔を出すそう。
夜は予約制だが、木々のライトアップを楽しみに訪れる客も多い。
山寺や蔵王、秋保大滝の観光帰りに寄ってみては。

▲窓からは、裏山の緑を望むことができる。運が良ければカモシカと逢えるかもしれない。

そばを食べながら、のんびりゆったりとした時間を楽しんでください。
また、皆様に楽しんでいただけるよう、店舗周辺の充実を図っていきます。どうぞご期待ください。

- 店名
- 秋保草庵
- 電話
- 022-304-7477
- 住所
- 宮城県仙台市太白区秋保町馬場字丸山12-4
- 営業時間
- 11:00〜16:00 17:00〜20:00
(夜は予約制) - 定休日
- 水曜日(祝日営業・翌日休み)
- 席数
- 32席
- 喫煙
- 店内禁煙
- 駐車場
- 15台